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子供の鼻づまり治療

重症の鼻づまりのお子さんを対象とした専門外来です
※対象は4才以上のお子さんとさせていただきます

睡眠時呼吸障害のあるお子さん
慢性的な鼻づまりによっておこる睡眠中の口呼吸やいびきなど
睡眠の質が低下しているお子さん
集中力の低下や落ち着きのなさ、小学生以上のおねしょなど
重症鼻づまりチェックリスト

睡眠中、寝起きの様子
□いびきをかく
□寝ているときに呼吸が止まることがある
□小学生になっても、おねしょをすることがある

日中の様子
□昼間に眠たがる
□口をポカンとあけている
□運動するとき息切れがする

精神的な状態
□落ち着きがない
□飽きっぽい
□キレやすい

身体の状態
□姿勢が悪く前かがみ気味
□顎が小さく歯並びが悪い
□背が伸びにくい

食事中の様子
□食事をよく噛まずに飲み込んでいる
□食事のときに口を開けたままくちゃくちゃ嚙む
□乳児期、授乳中に休むことが多く、口で呼吸していた

このような症状で、これまで受けた治療では改善しなかった重症の鼻づまりのあるお子さんを対象に治療を行っています。

鼻は呼吸するときの空気の通り道として大切な働きをしています。鼻がつまっていると睡眠障害の原因となることがわかっており、脳が十分休めないために心や体の発育障害を招くこともあります。また、鼻づまりによる口呼吸は、顎や顔面の骨の発育にも悪影響を及ぼします。鼻づまりを放置していると、「ぐっすり眠れる」「おいしくご飯が食べられる」「息苦しくならずに元気に走れる」といった、イキイキとした毎日を過ごすことさえ難しくなってしまいかねません。

子どもは、鼻づまりがあっても自分から「鼻がつまっていてつらい」と訴えることができません。これは、幼い頃から鼻がつまっていると、その状態が当たり前になってしまい、症状を自覚するのが難しいからです。周囲の大人が、子どもの鼻づまりのサインに気づいてあげることが治療の第一歩となります。

(1)鼻が果たしている大切な役割

鼻は、においを感じ取る感覚器としての役割と、空気を取り込む呼吸器としての役割と2つの機能を併せ持っています。このうち、呼吸器としての鼻の役割は非常に重要です。「口でも呼吸はできる」と思っている方は少なくありませんが、鼻呼吸には、口呼吸では代替できない非常に高性能な「エアコンディショナー」の機能があるのです。鼻は、どんなに暑いときも寒いときも、吸い込んだ空気をあっという間に肺の内部環境(温度37℃、湿度100%)に近い状態まで整えることができます。また、空気中のほこりや細菌などの有害物質も、鼻毛と鼻の粘液層がシャットアウトします。肺は、この鼻の機能によって大切に保護されているのです。

(2)「鼻づまり」が子どもの成長に及ぼす弊害

「鼻づまり」が子どもの成長に及ぼす弊害は、あまり注目されてきませんでした。しかし鼻づまりがあると熟睡できず、日中にぼんやりしたり、「キレやすい」「集中力がない」「落ち着きがない」などの症状が出ることがあります。運動するとすぐ息切れしたり、背が伸びにくかったりするほか、歯並びに悪影響があることもわかっています。

実際、当院で治療して鼻呼吸を取り戻した子どもたちには、集中力・運動能力・知的能力の向上、身体の発育や精神の安定などにおいて、目を見張るほどの変化が見られます。「鼻づまり」には治療が必要であり、また治療により改善が可能であることを、まずご理解いただきたいと思います。

(3)「鼻づまり」が起きる大きな原因は「慢性鼻炎」

子どもの「鼻づまり」の多くは、慢性鼻炎(アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎)のために鼻腔の粘膜が腫れているのが原因です。
鼻の粘膜の中にはスポンジ状の血管があり、もともと腫れやすい性質があります。そこに炎症が起きると、血流が停滞して「鼻づまり」をきたすことになります。慢性鼻炎による「鼻づまり」は、症状が少しずつ進行すること、無意識に口呼吸で代替してしまうこと、一般に日中は症状が軽く、睡眠中に悪化する傾向があることから、くしゃみや鼻水と違い気づかれにくく、放置されやすいのが特徴です。

(4)「鼻づまり」に関連するほかの症状

鼻づまりと密接にかかわる症状や病気もあります。主なものとして挙げられるのは、「嗅覚障害」「慢性副鼻腔炎」「喘息」です。

「嗅覚障害」
慢性鼻炎は、鼻腔の粘膜が広い範囲で腫れる病気です。においの神経が分布している部分にまで粘膜の腫れが及ぶと、そこに空気が入り込めなくなり、嗅覚障害が現われます。
「慢性副鼻腔炎」
副鼻腔とは、顔面の骨の中にある空洞のことです。空洞は「自然口」と呼ばれる小さな孔で鼻腔とつながっており、この自然口を通って、空気が鼻腔から副鼻腔に流れ込んだり、副鼻腔の中で作られた分泌液が鼻腔へ排出されたりしています。慢性鼻炎で鼻腔粘膜が腫れると、自然口が狭くなったりふさがったりすることがあり、副鼻腔内の粘膜が腫れたり、細菌が増殖したりします。このような状態が慢性化したものが、慢性副鼻腔炎です。
「喘息」
喘息を「気道粘膜の過敏症」ととらえると、鼻炎と共通する1つの疾患だと考えることができます。つまり、「鼻・気管・気管支」という空気の通り道が、冷気や何らかの物質を吸い込むことにより、粘膜の炎症を起こしたり、鼻水、くしゃみ、せきなどを発生させたりするのです。実際、喘息の多くは鼻炎を合併しています。喘息を持つ子どもに「鼻づまり」があると、乾燥した冷たい空気や埃などが鼻のフィルターを通さずに気管や気管支に吸い込まれるため、喘息発作を起こしやすくなります。鼻炎の手術によって正常な鼻呼吸を取り戻した子どもは、喘息発作も減少することが確認されています。

(5)薬による治療や従来の手術治療の効果と限界

鼻炎の症状のうち、鼻水やくしゃみとは異なり、鼻づまりは薬が効きにくい症状です。ある程度の効果がある安全な薬としてステロイドの点鼻薬がありますが、薬のみでの治療には限界があります。

点鼻薬などでの治療が難しい鼻づまりがある場合は、手術を検討することになります。従来は、レーザーや電気メスで粘膜を凝固したり、鼻の中の「下鼻甲介」という部分を一部切除して鼻腔を広げる手術が行われてきました。これらの方法はそれなりの効果は期待できますが、大きな課題も残っています。というのも、鼻炎による鼻づまりは広範囲の粘膜が腫れているので、鼻腔の一部を開通させるだけでは十分とは言えないのです。また、下鼻甲介は鼻が機能を果たす上で大切な役割を担っており、切除すると重要な機能を壊してしまう可能性があります。

(6)鼻づまりの新たな手術治療

当院では、開院以来、新しい鼻づまりの手術治療を模索し続けてきました。1997年、鼻炎に対して大きな改善効果の期待できる「後鼻神経切断術」を開発し、20年来、手術法を発展させると共に手術治療として提供しています。
この手術は広範囲の粘膜の腫れを改善でき、鼻づまりの治療効果が高いのが特徴です。身体への負担が少なく出血もほとんどないため、子どもにも手術治療を行うことができるようになりました。

「後鼻神経切断術」には優れた特徴がありますが、これだけで鼻づまりが完治するわけではありません。手術の目的は鼻づまりを完治することではなく、あくまでも「鼻の呼吸を取り戻し、これを維持しやすい状況を創り出すこと」にあります。このため手術後は、鼻洗浄や点鼻薬、ときには内服薬なども取り入れて、QOL(生活の質)を保つことも必要です。 
慢性鼻炎の手術について

(7)手術による症状の改善率

この表は重度の鼻づまりのため当院で手術を受けたお子さんの手術前と手術後3か月の変化についてまとめたものです。睡眠中の呼吸状態、睡眠の質の改善により、日常生活の変化が認められます。

子どもの症状の改善率(手術前と術後3カ月)

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