慢性鼻炎・蓄膿症(副鼻腔炎) 日帰り手術治療 耳鼻咽喉科 鼻のクリニック東京[東京サージクリニック](中央区)

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[鼻のコラム] vol.08 子どもが困っている点を子ども自身の言葉で聞くように



《 荒木先生 インタビュー 》

子ども達にとっての「おおきな木」でありたい

荒木: 当院にある「こどものための待合室」の中に、大きな木のオブジェがあるのをご存じでしょうか。この木の下で子ども達がはしゃいでいる姿を見ると、私は「おおきな木」という絵本を思い出します。

この本は、とても有名な英語の絵本で、日本を含めて世界各国でいろいろな言葉に翻訳されています。平易な文章の中に奥深い内容が込められているため、子どもでも大人でも、読み手の立場に応じて受け止め方が違い、いろいろと考えさせられます。そのため、読んだ後の感想はひとりひとり異なり、更には年を重ねてから読み返すとまた違う感想を持つ、という大変不思議な絵本です。

  本の中では、男の子はおおきな木に色々なお願いをして、木は一つ一つお願いを聞いていきます。男の子は、成長とともに外に飛び出してなかなか戻ってこないので、木は心配したり、戻って来ても素直に喜べなかったりします。しかし、何か困ったことがあると男の子は戻って来て、おおきな木はうれしそうに男の子の話や願いを聞く。そしてまた男の子は未来に向かうためにその木を離れて行きます。

絵本の最後では、年寄りになった男の子が、木の切り株に座って穏やかに心安らぐ場面で終わります。私は鼻の病気を持つ子どもにとって当院が、おおきな木の様な存在でありたいと思っています。

子どもの鼻炎は生活や睡眠を妨げることも

荒木: さて、当院を受診される子どもの鼻の病気で一番多いのは、慢性鼻炎です。鼻炎の代表的な症状は、鼻づまり、鼻水、くしゃみ。これらが三大症状であることは大人も子どもも同じですが、子どもの慢性鼻炎の特徴は、鼻の形が大人よりも小さいため、大人よりも鼻づまりの症状が深刻であることです。そして、症状が鼻の問題にとどまらず、日中の生活や夜間の睡眠の質までも大きく悪化させてしまいます。その隠れた弊害については、近年世界的に注目されるようになってきました。

慢性鼻炎の症状は常に一定ではなく、昼夜、気候、環境、アレルギー体質、自律神経など複雑な要因が絡み合い、日々大きく変化します。その細かな変化を知ることが、正確な診断と重症度の評価、そして今後の治療につながるため、最初の診察の時には、お子さん自身や御家族の方から丁寧にお話を聞いています。

大切なのは「子ども自身」と治療について話すこと

荒木: 特に大切なことは、お子さんの言葉でお話をしてもらうことと、そのお話を御家族や医療者がしっかりと聞くことです。最初は恥ずかしがったり、不安が一杯でお話できな いこともありますが、時間をかけて丁寧に聞いていくと、上手にお話ができるようになります。

たくさんお話ができると、最初は怖がっていた検査に対しても徐々に目を輝かして取り組み、検査が楽しかった、おもしろかった、もう一回したいよ、と、ニコニコとお話しをしてくれます。診察室に戻ったら、子どもが頑張った検査の結果を大きなテレビに映して、子ども自身が自分の状態を十分理解できるように説明を行います。

いつも子どもを診察していて驚かされますが、大人が思う以上に、子どもは自分のことをよくわかっています。ゆっくり説明すれば大抵のことは理解や判断もできますし、その治療が自分に必要だと納得すれば自ら行動できます。一方で、本人が納得しないまま家族や医療者が治療を決め与えても、他人事のように感じてしまい行動につながりません。

鼻の病気の治療目的は、その子ども「自身」の生活の質を向上させることに他なりません。ですので、今どうして困っているのか、どのように改善する可能性があるのか、その手段はどのようなものか、子ども「本人」にしっかりとお話をていきます。

言葉だけではなかなか理解しにくい鼻の仕組みも、自分の鼻の写真を見ながらですと、すぐに子どもは理解できます。
問題点や解決策を視覚的に説明していくと、どんどん表情がキラキラしてきます。

子どもの主体性を引き出す大人の役割

荒木: すると、子どもは本当に治療が必要かどうか、自分でしっかり判断してくれます。子どもの目が輝いた瞬間、治療に対する意欲が生まれた瞬間を捉えて、その背中をそっと押してあげること。それが家族や医療者ら大人の役目であり、最大の治療効果を生み出す秘訣かと思います。

治療の内容については、症状の程度や検査の結果、経過を元に、学校生活や家庭生活の状況を配慮しながら、一人一人の子どもに適した方法を担当医から提案しておりますので、お任せください。

子どもの鼻炎とそれにまつわる弊害がなかなか解決されない一番の原因は、親や周りの大人が鼻炎を軽視しがちな点にあると私は思っています。「鼻づまりぐらい、大した問題でない」「大人になれば自然に治る」などと、子どもの訴えを真剣に捉えてあげず、放置しているケースが多くはないでしょうか。子どもが困っている点を真剣に捉え、通院や治療など適切な援助をしてあげることが大人の役割だと思います。

多くの子どもの鼻づまりは適切な治療で改善が見られる

荒木: 実際に当院のデータでは、子どもの慢性鼻炎の圧倒的多数は、鼻洗浄を中心とした保存的治療で症状が改善しています。鼻洗浄はいわば歯磨きのようなもの。アレルギーなど体質的な鼻炎の患者さんも、毎日の鼻洗浄を習慣化することで、改善、予防の効果があります。

一方で、重度の慢性鼻炎の子どもの中には、大人の様な形態的な問題を抱えている子もいて、保存的治療をしっかり行っていても、あと一歩のところで改善が得られないこともあります。当院では被曝の少ないCTを用いて、症状の改善を妨げる要因を負担少なく調べることができます。もしそのような要因が見つかった場合には、形態的な調整を行う手術治療が選択肢となります。

そこで当院では、鼻洗浄による長期的な管理を基本とし、子どもの成長を見据えた広い視野の中で、時に手術も含めた多彩な治療手段を選択しながら、その子に合った治療計画を立てることを重要視しています。最も大切なことは、子ども「自身」の理解と意識付けであり、治療を続ける最大の原動力となります。

子ども達は、治療と向き合う対話の中で、自分の鼻の状態について理解と意識を深めていきます。治療で症状が落ち着いて、もう大丈夫と自分で判断できたら、通院や治療にこだわる必要はありません。少し離れるのもよいでしょう。また症状が気になる時期が来れば、通院して治療を始めればよいからです。

久しぶりに来院した子ども達の成長した姿を見ると、とてもうれしく思います。おおきな木の下で、私達はいつでも皆さんの相談にのりたいと思っています。

荒木 康智

鼻のクリニック東京 診療部長

1997 年 慶應義塾大学医学部卒業後、
同大学病院耳鼻咽喉科教室 入局
2002 年
~ 2014 年
同大学病院耳鼻咽喉科 助手
川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科 医長
けいゆう病院耳鼻咽喉科 医長
2015 年 鼻のクリニック東京
2016 年 鼻のクリニック東京 診療部長

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