慢性鼻炎・蓄膿症(副鼻腔炎) 日帰り手術治療 耳鼻咽喉科 鼻のクリニック東京[東京サージクリニック](中央区)

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鼻のコラム

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全国の耳鼻咽喉科医師に配布されている季刊誌「美蕾(千寿製薬)」特集「臨床最前線」にて当院が紹介されました。

鼻に魅せられた私の半生~鼻の世界はこんなにも奥深い~

鼻のクリニック東京

院長 黄川田 徹

+ はじめに

耳鼻咽喉科医になって40年、開業してから25 年が経過しました。内視鏡を用いた鼻の手術は、とりわけ情熱を注いで開業直後から継続的に取り組んで来たテーマです。それまでは、耳鼻咽喉科のさまざまな領域を一通り学んできたつもりでしたが、鼻の手術がこれほどおもしろい(表現は悪いが)とは、開業後に必要に迫られて取り組み始めるまでは気づきもしなかったことです。

筆者が鼻科手術に内視鏡を用いているのを初めて目にしたのは、ドイツErlangen 大学のM.E.Wigand 教授のところに留学中のこと。教授は、中頭蓋窩経由の聴神経腫瘍手術の第一人者でしたが(筆者の渡独の目的もこれを勉強するためでした)、同時に、当時開発間もない内視鏡を用いた副鼻腔手術のパイオニアでもあったのです。教授の執刀する聴神経腫瘍手術を毎日のように見る傍ら、副鼻腔手術も何例か見学してきました。カメラのない時代なので、教授の横に立って時々内視鏡を覗かせてもらったのですが、正直なところ、どこをどう操作しているのか皆目見当がつかなかったことを記憶しています。

筆者と内視鏡の二人三脚は、開業後、整形外科用の内視鏡一本を購入し、かすかな留学時代の記憶を頼りに、顕微鏡を併用する方法からスタートしました。その後、鼻鏡固定装置の開発、内視鏡用吸引洗浄装置の開発などを経て、慢性副鼻腔炎や慢性鼻炎に対する独自の術式を確立してきましたが、内視鏡手術のおもしろさは日々増大し、70 歳を目前にした今もなお、ますますのめりこんでいることに気づかされます。

近年、耳鼻咽喉科に対する医学生の関心が薄れていると言われていますが、そのこと自体信じられないほどに鼻の臨床は奥深い。加えて、鼻炎が国民病といわれるように圧倒的な増加傾向にあること、鼻炎に起因すると思われる副鼻腔炎が増加していること、鼻炎や副鼻腔炎が気管支喘息と関係があることが明らかにされつつあること、また小児においては鼻炎による鼻閉と、顎骨発育障害、睡眠時呼吸障害、睡眠障害とこれに起因する脳や身体発育障害の関係が注目されるようになってきていることなどから、あくまで私見ですが、近い将来、鼻科は耳鼻咽喉科の臨床の中で最も重要な位置を占めるものと予測しています。

筆者の頭の中のことはさておき、本稿では、鼻科治療に対する熱い思いを共有している数名の医師と運営しているわれわれの組織、とくに、全身麻酔下の手術を1 ~ 2泊で行う短期入院手術治療施設である「浜松サージセンター」を母体とし、鼻に特化した全身麻酔下日帰り手術を行っている「鼻のクリニック東京」の現在の姿について紹介させていただきます。

+ 施設紹介

当院は、東京駅八重洲口から徒歩5分、ブリジストン美術館の向かい側にある銀座中央通に面したビルの3 ~ 5階にあります。1 フロアーは約180坪あり、3階から5階までを各々、外来診療フロアー、手術フロアー、スタッフの共有フロアーとして機能別に使用しています。外来フロアーは、大きく成人診療用(「おとなの鼻ユニット」)と小児診療用(「こどもの鼻ユニット」)に区分されています。それぞれの待合室が両端にあり、中央に6つの診察室が、そして待合室をつなぐ通路に沿って6つの説明室が配置されています。

おとなの鼻ユニット 待合室

こどもの鼻ユニット 待合室


また手術フロアーには、中央に6つの手術室があり、その周囲に13のリカバリー室が配置されています。

手術フロア (左側:手術室 右側:リカバリー室)

手術室

スタッフは総勢51名で、この6 月の時点で常勤医師6 名(耳鼻科4名、麻酔科2名)、看護師12名、臨床検査技師4名、レントゲン技師2名、薬剤師1名、事務スタッフ22名、そして非常勤医師3名(麻酔科1名、呼吸器内科2名)と非常勤弁護士1 名から構成されています。

鼻科医師チーム:左から原医師、荒木医師、川野医師(副院長)、そして筆者

+ 診療規模

昨年度(2015年4月~2016年3月)の新患数は7129名、うち、成人が4887名、15歳以下の小児が2242名です。また、この期間の全身麻酔下手術件数は、1721 です。

+ 外来診療

火曜日から金曜日は午後1時半から5時まで、また土曜日は12時から3時まで、完全予約制で診療を行っています。初診患者に対しては、正確な診断を期するため、内視鏡検査、鼻腔通気度検査、および音響鼻腔計測検査を、また必要に応じてCT検査を行います。

当院の特徴のひとつは、小児患者が多いことで、昨年度は、受診患者全体の31.5%を15歳以下の小児患者が占めています。このため、放射線被爆量が世界最小となる超低被爆撮影モードのついたCT 装置(Kavo 社製:被爆量は頭部撮影で11 マイクロシーベルト;胸部単純撮影の5 分の1 程度)を導入し、おもに低年齢の小児の検査に用いています。

当院の初診患者は、すでに他院での治療歴があるが薬剤やレーザー手術で大きな改善がみられなかったことから、より効果の高い手術を希望している重症例が大多数を占めます。当院では、手術紹介患者を除き、原則としてはじめのヵ月間は保存的治療(鼻洗浄とステロイド点鼻の併用、症状に応じて抗アレルギー薬を使用)を行い、このような保存的治療に抵抗する例に対してのみ手術を行っています。昨年度12月までの初診患者のうち、成人では23%が、また小児では15%が手術適応となっています。つまり、当院を受診した成人患者の7 割以上、小児患者の8割以上が、手術をしなくても、鼻洗浄とステロイド点鼻の併用療法でコントロール可能な状態となっているのです。

手術適応となった患者に対しては、既存の手術法の長所と短所について説明を行い、簡便な手術から段階的に進めるか、あるいはもっとも効果の優れた手術を最初に用いるのかを、患者に選択してもらっています。

+ 手術

火曜から金曜日の午前中に1日平均10件の手術を行い、一人の医師が、毎日2例から3例を担当しています。当院では、従来は禁忌とされていた小児の手術も多く、これまで(開設以来浜松も含め)2000件以上の小児手術(4~15歳)を実施しています。

手術室の実際の様子については、本稿の読者のための特別サイトを作成しましたのでこちらを御覧ください。
http://mirai.nose-clinic.jp/

この7月からは、土曜日の午前中も手術を行う予定です。

+ 医療安全に対する取り組み

安全にシステムを運用していくために、治療プロセスにおける潜在的なリスクポイントについては非常勤弁護士と顧問法律事務所との連携による指導のもとにガイドラインを作成し、ガイドラインに即した体制づくりと運用の徹底を図っています。

術前においては、手術適応基準を設け、問題のありそうな患者に対しては、常勤の麻酔専門医あるいは呼吸器内科専門医(非常勤:慶応大学)の診察を通して手術適応の可否を判断しています。

在院患者の安全対策としては、全てのベッドにリカバリーモニター2種(コーリン、マシモ)を設置し、術後の患者の循環や呼吸状態が、手術室およびナースステーションで監視できるようにしています。そして全手術室の壁面に、モニター専用の65インチディスプレイを配備し、ここに6室全ての手術室の術中モニター(コーリン)と、前記のリカバリーモニターの情報が同時に表示されるようにし、どの手術室にいても術中・術後の患者全員の生体情報が監視できるようにしています。また小児においてもミクロンレベルの微細な手術が安全に行えるよう、全手術室には、ハイヴィジョンカメラ(Storz社製)とマイクロデブリダーシステム(Medtronic社製)が配置されています。

術後の安全対策としては、独自の「日帰り基準」を設け、この基準を満たす患者については帰宅を、また満たさない患者については近隣のホテルを利用したホテルステイ方式を採用しています。

手術室風景:各手術室には、全手術室と全リカバリー室の生体情報をモニターできるディスプレイが取り付けられている

+ 共同研究

現在、他施設との共同で次の二つのテーマで研究に取り組んでいます。一つは、昭和大学歯科病院と共同で行っている「鼻閉と顎発育障害との関係」についての研究、もう一つは、慶応大学呼吸器内科および理化学研究所と共同で行っている「難治性副鼻腔炎と喘息との関係」についての研究です。

+ 海外研修

筆者は、吸収力が旺盛な若いうちに多くの手術を見ておくことが重要だと考えています。術者の技術力は他人の手術を“見て体得していく”、すなわち真似るあるいは盗むことで日々研鑽されていくものですが、このためには、見ている手術の価値や抽出すべきエッセンスを見極める“目”が必要です。そしてこの“目”を継続的に開き続けるためには、脳への反復刺激が不可欠だと考えています。このような理由から、不定期ではありますが、交替で1ヵ月の短期海外研修を行ってきました(これまで、米国Stanford 大学で2回、オーストラリアAdelaide 大学で1回)。

川野医師がStanford大学で供覧した手術をきっかけに、当院を訪問したPH Hwang教授(2014年9月)

+ まとめ

当院は、「サージセンター浜松」という小さな拠点を起点として、徐々に規模を拡大しつつ今日に至っていますが、筆者は始めから規模の大きな施設を作りたいと思っていたわけではありません。希求し続けてきたことはただひとつ、耳鼻咽喉科臨床医という土俵の中で自分が何者であり何ができるのかを、好きな手術を介して知ることでした。この自分探しの旅はまだなお続いており、きわめて緩徐ではありますが、体力の衰えとは逆走するように自分の手術が前進していることを実感しています。

これまでの取り組みを通して、筆者は将来の耳鼻咽喉科界に対して予感していることがあります。それは、現在の鼻科手術を支配している「長期入院が必要、かつ小児は手術禁忌である」といった固定観念が、近い将来には霧散するであろうといった予感です。また、保存的治療と手術的治療の両者を使い分けることのできる専門医師の手によるオーダーメイド治療が鼻科治療の理想の姿となり、このような新しい担い手によって鼻科手術は入院不要の時代に突入するであろうといった予感です。

このような時代においては、鼻科治療を担当する医師には、安全で効果的な手術を低侵襲で提供できる高い技術力が要求されてくるはずです。来るべき時代に適応していくために、これから鼻科治療を志している医師たちに求められていることは、できる限り早い段階から多くの臨床経験を積んでおくことであろうと筆者は感じています。
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